夕方
ふと部屋がしんと静まり返る瞬間がある。
子どもが学校から帰る前の、ほんのひととき。
その静けさが
以前は「孤独」に思えて少し怖かった。
「誰にも必要とされてないのかな」って
思ったりもした。
でも、ある日。
湯気の立つお味噌汁をひとりですすっているとき
ふと気がついた。
この静けさって
ただの余白だったんだなって。
人と会わない日もあるけれど
そのぶん心の音がよく聞こえる。
「今日はちょっと疲れてるな」って気づけたり
「本当はこうしたかったんだよね」って
自分の本音に優しく触れられたりする。
孤独って、さみしいものじゃなくて。
自分を大切にするための
静かな時間だったのかもしれない。
だから私は
今日もそっと暮らす。
心の中に、やさしい余白を残しながら。