あの日から、
外に出るのが少し怖くなってしまいました。
子どもを保育園に送った帰り道、
近くのスーパーに立ち寄ったときのことです。
マイバッグを持っていた私は、
カゴに商品を入れて歩いていました。
すると、入り口近くに立っていた警備員の男性が、
こちらをじっと見つめていたんです。
気のせいかもしれない。
でも、その視線は「何か疑われている?」という不安を呼び起こしました。
その日だけならよかったのですが、
別の日には、店内のカメラに自分が映っているのを感じて、
無性に落ち着かなくなりました。
急いで会計を済ませたけれど、
レジの人の手が止まるたびに
「何か問題があったのかも」と不安が膨らんで、
もう買い物どころではありませんでした。
それからというもの、
外に出ることがどんどん怖くなりました。
玄関で靴を履いたのに、
鍵を持つ手が止まってしまう。
体が動かないのです。
出なければ、誰にも見られないし、
誤解されることもない。
そう思うと、ドアを開けるのがこわくなっていました。
そんなある日、仲の良い友人が
「うちは宅配メインにしたら気持ちがラクになったよ」と教えてくれました。
最初は「そこまで甘えていいのかな?」と
自分を責める気持ちもありました。
でも、試しにネットスーパーを利用してみると、
その便利さと安心感に、ふっと肩の力が抜けたんです。
人と顔を合わせなくても、ちゃんと生活は回る。
今の私は、週に一度のゴミ出しですら、
少しの覚悟が必要だけど、それでも、
宅配のおかげで日々の不安が少しずつ減ってきました。
今でも、外に出るのは怖い日があります。
でも、「無理して行かなくてもいい」
「家でできる方法がある」ことを知っているだけで、
心の負担はずいぶん違います。
見えない不安に寄り添う暮らし方が、
私にはちょうどよかったのかもしれません。